だんそうへんい‐ちけい〔ダンソウヘンヰ‐〕【断層変位地形】
断層変位地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 21:59 UTC 版)
断層変位地形とは断層運動に伴い直接的に形成された地形のことである。縦ずれ断層運動によって形成された地形を縦ずれ断層変位地形、横ずれ断層運動によって形成された地形を横ずれ断層変位地形とよぶ。 縦ずれ断層運動に伴い地表面の上下方向でのズレが発生し、断層崖(fault scarp)や撓曲崖(flexure scarp)などが形成される。断層崖と撓曲崖をあわせて変動崖(tectonic scarp)といい、山地と盆地や平野の境界において形成されることが多い。 断層崖は断層運動による地表面の切断によって形成され、撓曲崖は地表面のたわみによって形成される。断層運動による変位が小さいときは、地層上部が塑性変形に限られ剪断変形がなされないため撓曲が起こるが、変位量が大きいとき、あるいは断層運動が繰り返された場合は剪断変形により地表面が切断され、断層崖が形成される。 一方、横ずれ断層変位地形では水平方向に地表面のズレが発生し、地形線の屈曲などに現れる。このような屈曲し食い違った状態のことはオフセット(offset)とよばれる。オフセットに着目することで、右横ずれ断層と左横ずれ断層を見分けることができる。 オフセットが起きている谷を横ずれ谷(offset valley)、尾根については横ずれ尾根(offset ridge)という。また、尾根の横ずれに伴い、近隣の谷の前面が囲まれて形成された地形を閉塞丘とよぶ。この他、横ずれに伴い局所的な地形の膨らみや凹地の形成も起こる。 なお、断層変位地形は活断層の存在を把握するために重要であり、地震予知の観点からも研究が進められている。
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