斑岩銅鉱床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 08:54 UTC 版)
花崗岩ないし石英閃緑岩というフェルシックな深成岩に由来し、その上部(すなわち元の岩石より浅いところ)に形成された鉱床。地下深所の直径10km以上の巨大な深成岩バソリスの上部にあたかも本体から絞り出されたような形で形成された直径数百から数千mの花崗斑岩や石英斑岩の岩体全部が鉱床となっている。岩体中の鉱石は鉱脈を形成せず、比較的均一に存在するため露天掘りによる機械的な採掘が容易で、銅品位は低いが(0.5から1%)現在の銅鉱山の主流となっている。このタイプの鉱床はアンデス山脈、ロッキー山脈、フィリピン、ボルネオ島などの環太平洋に偏在し、形成された年代は五億年前以後と比較的新しい事が特徴。バソリスがゆっくり冷却する際に分離した熱水がバソリス上部に濃集し、バソリスの一部が凸型に盛り上がって比較的短時間に冷却し鉱石化したと考えられている。同様な起源によって形成されたモリブデン鉱山も存在する。
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