数値的安定性と良条件性とは? わかりやすく解説

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数値的安定性と良条件性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 23:37 UTC 版)

数値解析」の記事における「数値的安定性と良条件性」の解説

誤差発生すると、計算通じてそれが伝播していく。実際電卓コンピュータでの(浮動小数点数の)加算は正確ではなく反復計算をすると計算はさらに不正確になっていく。このような誤差研究から数値的安定性概念生まれた。あるアルゴリズム数値的に安定であるとは、誤差発生伝播したときに計算が進むにつれてその誤差があまり大きくならないことを意味する。これは問題が良条件場合のみ可能である。良条件とは、データ少しだけ変化したとき、解も少しだけ変化するような性質を持つことを意味する逆に問題悪条件であればデータ含まれる誤差大きく成長する。 しかし、良条件問題を解くアルゴリズムは必ずしも数値的に安定とは言えない。数値解析技術は、良条件問題を解く安定アルゴリズムを見つけるためにある。例えば、2の平方根(約 1.41421)の計算は良条件問題である[要出典]。この問題を解く多くアルゴリズムは、初期近似値 x1 から開始して 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} になるべく近い値を求めようとする。つまり、x1=1.4 として、よりよい近似値を x2、x3、…と計算していく。有名なアルゴリズムとしてバビロニアの平方根があり、この場合の式は xk+1 = xk/2 + 1/xk である。別の方法として、例えば、xk + 1 = (xk2−2)2 + xk という式を使うとする(仮に Method X とよんでおく)。この2つアルゴリズムについて、x1 = 1.4 と x1 = 1.42場合反復結果一部を以下に示す。 バビロニアバビロニアMethod XMethod Xx1 = 1.4 x1 = 1.42 x1 = 1.4 x1 = 1.42 x2 = 1.4142857... x2 = 1.41422535... x2 = 1.4016 x2 = 1.42026896 x3 = 1.414213564... x3 = 1.41421356242... x3 = 1.4028614... x3 = 1.42056... ... ... x1000000 = 1.41421... x28 = 7280.2284... 見ての通りバビロニアの平方根初期値がどうであっても素早く収束するが、Method X は初期値1.4の時は収束遅く1.42初期値にすると発散する。したがってバビロニアの平方根数値的に安定だが、Method X は数値的に安定である。

※この「数値的安定性と良条件性」の解説は、「数値解析」の解説の一部です。
「数値的安定性と良条件性」を含む「数値解析」の記事については、「数値解析」の概要を参照ください。

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