教育学・教育政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 17:01 UTC 版)
近年米国や日本でも導入されている学校選択制の運営にもゲーム理論の知見が用いられている。学校選択制とは、家庭が近隣地域のどの公立小学校・中学校に子どもを通学させるか選択可能な制度である。一見すると学校選択制は行きたい学校を単純に選択するだけなので戦略的状況とは関係なさそうに思われるが、各学校には定員があるため、学校選択制を利用して入学を希望する学校を選択した際にその学校に入学できるか否かは他の児童・生徒の選択に依存するのである。マサチューセッツ州ボストン市において1999年に導入された学校選択制の方式はボストン方式と呼ばれるが、この方式において児童・生徒は真の希望順位とは異なる希望順位を制度運営者に提出することによって得をする可能性がある等の問題があることが知られている。この問題は2005年に受入保留方式と呼ばれる方式を導入することによって解決されている。このような主体(生徒)と主体(学校)をいかに組み合わせるかを分析する研究領域としてマッチング理論があり、学校選択制のさらなる改善のために現在も研究が行われている。学校選択制の研究においては複雑な一般均衡的効果を考慮する必要があるが、そもそもどのような一般均衡的効果を目標に制度設計すべきかが定まっていない点が課題として指摘されている。
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