政策割引の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 21:38 UTC 版)
特に、当時から指摘されていた問題として公共政策割引による減収の累積がある。公共政策割引とは、国の他の政策のために設けられた割引制度を総称したものである。国鉄の通勤投資を論じた『政策月報』から引用すると、1970年当時の数字を例にとって次のようなものが挙げられている。 定期旅客割引運賃:1ヶ月定期で50% - 64.1%、3ヶ月定期で52.4% - 65.9%、6ヶ月定期で60% - 67.7%なお、国鉄運賃法第5条での法定割引率は当時50% 学生定期割引運賃:1ヶ月定期で68.3% - 88.4%、3ヶ月定期で69.9% - 89.1%、6ヶ月定期で71.5% - 89.6% 特別扱新聞紙・雑誌の割引輸送 貨物暫定割引:1950年、木材・鮮魚等15品目に対してスタートし順次拡大された。 以上を合計すると国鉄の公共負担額は1970年度見込みで523億円で、1960年度から1970年度までの累計は7,476億円、公共企業体として出発した1949年度から1970年度までとすると1兆990億円となる。 同趣旨の引用は高橋伸夫も『鉄道経営と資金調達』にて述べており、この政策割引が第三次長期計画の前半3年間で投じられた1兆円の投資額とほぼ同額なのは皮肉だという内容を書いている。
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