支配権否認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 19:54 UTC 版)
グロティウスは次のように述べて東インドに対するポルトガル人の支配権を否認した。支配するためには所有が必要であるが、ポルトガル人は東インドを所有や領有したことはない。発見によってポルトガル人が東インドを取得したと主張されることはあるが、ポルトガル人が東インドに初めて行ったときよりも以前から東インドという土地は知られていたしそこには住民もいた。教皇アレクサンデル6世による分割(デマルカシオン)はスペインとポルトガルの2国間だけのことであって他国には関係のないことであり、また教皇は宗教上の管轄権を有しているだけで全世界の世俗的支配者ではなく、異教徒の土地である東インドを贈与する権限は教皇にはない。戦争によって支配権を確立することはできるがそれは占領の後のことであり、ポルトガル人は東インドを占領したことがないばかりか、東インドの住民は戦争もしていないし、ポルトガル人には戦争を行う正当な理由もなかった。以上の理由からグロティウスは、東インドに対する支配権は東インド住民自身のものであって、東インドはポルトガルの支配に服するわけではない、と説いた。
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