投票と計数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 07:00 UTC 版)
ボルダ投票の元では、投票者は優先順位にしたがって候補の一覧にランクをつける。なので例えば、投票者は '1' を第一選好につけ、'2' を第二選好に…とつけていく。この点において、ボルダ式選挙は、他のInstant-runoff voting、単票移譲式、コンドルセ方式などの優先順位投票制の選挙と同じである。 各々のランキングで候補に与えられる評点は、その選挙で立候補する候補者の数によって決められる。このような、ボルダ式投票のもっとも単純な形の元では、もしある選挙に五名の候補がいたら、一位にランクされた候補が毎回五ポイントを獲得し、二位にランクされた候補が四ポイントを獲得し…となり、最下位にランクされた候補は一ポイントを獲得することになる。言い換えると、n人の候補がいるとき、nポイントを獲得するのが第一選好の候補であり、n-1ポイントを第二選好の候補が獲得し、n-2ポイントは第三選好が…となっていく。 ランキング候補式ポイント1位アンドリュー (n) 5 2位ブライアン (n-1) 4 3位キャサリン (n-2) 3 4位デイヴィッド (n-3) 2 5位エリザベス (n-4) 1 あるいは、各々の候補に、彼らより低くランクされた候補の数と同等の点数を与えることによって、票が数えられることもある。したがって、n-1ポイントを得るのが第一選好の候補で、n-2ポイントが第二選好で…となり、最下位の候補はゼロポイントである。たとえば、五人の候補がいる選挙で、ある投票者が一枚の投票用紙上で表明した選好によって指定された点数は次のようになる。 ランキング候補式ポイント1位アンドリュー (n-1) 4 2位ブライアン (n-2) 3 3位キャサリン (n-3) 2 4位デイヴィッド (n-4) 1 5位エリザベス (n-5) 0 上の二つの式がスロベニアの議会選挙(言及したとおり、90議席のうち二議席のみである)で使われているのに対し、ナウルでは一種の修正ボルダ制を採用している。投票者は一位にランクされた候補に一点を授与する。そして、二位にランクされた候補はそのポイントの半分を受け取り、三位にランクされた候補は三分の一のポイントを受け取り…となる。ナウルでの、上の五人の候補の例を使った配点は次のようになる。 ランキング候補式ポイント1位アンドリュー 1/(n-4) 1.00 2位ブライアン 1/(n-3) 0.50 3位キャサリン 1/(n-2) 0.33 4位デイヴィッド 1/(n-1) 0.25 5位エリザベス 1/n 0.20 すべての票が開票され、ポイントが合計されると、最高得点の候補が当選する。ボルダ計数が選好投票制であることはすでに述べたとおりであるが、各々の有権者から、候補は特定の点数を受けるので、ボルダ方式はpositional voting systemにも分類される。他のポズィショナル方式には、単純小選挙区制、制限連記式などが含まれる。
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