投擲物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/03 19:50 UTC 版)
投擲爆裂缶は缶に柄をつけた形状をしている。全長は70cm、全備重量は6.4kgである。缶は鉄製で、幅、高さが12cm、厚みが3.2mm、内部に方形黄色薬2.4kgを収容している。缶と柄を接続する四角錐状の蓋の両側には、雷管挿入孔が設けられている。爆裂缶を爆発させるための点火具は必ず2個取り付けられた。投擲機での発射に際しては、緩燃導火索を6cmから8cmに切り、雷管に挿入したうえ、挿入部分をゴム綿帯で数回きつく巻いた。これは発射時のガスが雷管に入るのを防止するためである。この作業を怠ると暴発を招いた。もう一方の端に、摩擦発火式の導火索点火管を接続する。これに投擲機の点火紐乙をかける。投擲爆裂缶は距離90mから410mまで投擲された。 羽根付き破壊筒は鉄条網、軽掩蔽部分を破壊するために用いた。重量は8.5kg。全長2m、長さ850mmで翼のついた管体甲と、長さ1185mmの管体乙(九九式破壊筒と同じ)から構成され、前端に信管をつけている。筒直径は49.5mm。炸薬は二号淡黄薬2.25kgを使用する。信管の側面にはネジのような切り替え溝があり、ネジ回しで90度回転させることにより、瞬発と延期に切り替え可能だった。羽根付き破壊筒の安全装置は三段式で、安全栓、安全子、安全羽が備えられていた。安全栓は発射時に手動で除去する。安全子は発射の衝撃で自動除去され、安全羽は弾道飛行中に風圧で回転し、予定数回転すると信管を着発状態にする。射程は90mから290mである。
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