投下労働価値の定式化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:32 UTC 版)
置塩は投下労働価値概念の数理的定式化を行い、マルクスのいう価値がどのように数量的に決定されるかを示してみせた。置塩によって示された価値方程式は、ある商品を一単位を生産するのに直接的・間接的に必要な労働時間を合計した量を決定する。今、n 種類の商品が存在する経済で、i 番目の商品を一単位を生産するのに直接的・間接的に必要な労働時間の合計を ti とすると、価値方程式は次のようになる。 ti = Σaij + τi (i = 1, .... ,n) ここで aij は、i 番目の商品を生産するのに必要な j番目の商品の量であり、同じく τiは、i 番目の商品を生産するのに直接必要な労働量である。この連立方程式を解くことで、すべての商品の価値(投下労働価値)=その商品を生産するのに直接的・間接的に必要な労働時間の量を求めることができる。 置塩は、この方法を「交換論について」(1954年)ではじめて示した。英文論文“Monopoly and the Rates of Profit”(1955年)では、より明確な形で価値方程式について書かれている。
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