抑制性回避
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/08 13:37 UTC 版)
2006年に、ジョナサン・ウィットロック (Jonathan Whitlock) らは長期増強が行動学的記憶に関わっていることを示す、新たな実験を報告した。明室と暗室の2つの部屋のある小屋にラットを入れ、(ラットが通常好む)暗室にラットが入ると足元に弱い電気刺激が流れることを学習させる抑制性回避 (inhibitory avoidance) 学習課題が実験では用いられた。その結果、海馬のCA1のシナプスにおいて、抑制性回避課題によりイン・ビトロの長期増強で起きるのと同様なAMPA型グルタミン酸受容体のリン酸化がイン・ビボでも起きていることが示された。加えて、課題の間に増強されたシナプスは、実験操作によってさらに長期増強を起こすことが出来ないことも示された。この論文に対してティモシー・ブリスらは、「(これら一連の実験は)長期増強が記憶の神経基盤であることを示すための新たな一歩である」と述べている。
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