房州うちわとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 伝統的工芸品 > 房州うちわの意味・解説 

房州うちわ

【工芸品名】
房州うちわ
【よみがな】
ぼうしゅううちわ
【工芸品の分類】
その他工芸品
【主な製品】
【歴史】
関東でうちわ作りが始ったのは江戸時代です。当時房州はうちわ材料となる竹の産地でした。房州でのうちわ作り明治10年ごろからといわれており、明治17年1884年)には安房郡一大物産として生産されていたとのことです。京うちわ丸亀うちわとともに日本三大うちわのひとつとして、南房州受け継がれています。
【主要製造地域】
千葉県
【指定年月日】
平成15年3月17日
【特徴】
良質女竹骨部分に、真竹弓部分に使用し京うちわの差柄、丸亀うちわの平柄に対して、丸柄であること、丈夫で半円格子模様美しいうちわです。

房州うちわ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/07 04:58 UTC 版)

房州うちわ

房州うちわ(ぼうしゅううちわ)は、千葉県南房総市館山市特産のうちわ。千葉県の伝統工芸の一つ。京うちわ(京都府京都市)、丸亀うちわ香川県丸亀市とその周辺地域)と並ぶ日本三大うちわの一つである。

特徴

  • 地域に自生する女竹(細い篠竹)を原料に用い、先端を48~64等分に細く割いた骨[1]と一体となった丸柄を特徴[注釈 1]とする。
  • 全ての製作工程が手作業による。工程数が21と多いため、工程ごとに分業して製作する。
  • 千葉県指定伝統的工芸品である。
  • 経済産業大臣指定伝統的工芸品(千葉県では唯一の指定)である。平成15年に指定された。

歴史

江戸時代関東でうちわが生産されるようになる。女竹が自生しする房総地方は、うちわに適した竹材の産地として知られ、江戸時代から竹材の出荷が行われていた[2][3]江戸への積出港としては、那古港(現在の館山市那古)が使われていた。

1877年明治10年)頃から那古港周辺で、うちわの骨づくりがはじまった。房州うちわ振興協会は、『地方資料小鑑』(1911年(明治44年)千葉県刊行)における、1877年(明治10年)に那古町でうちわ生産が始まり近隣に広まった、という記述を紹介している[3]。『房総町村と人物』(1918年(大正7年)刊行)によれば、1884年(明治17年)に那古の岩城惣五郎(竹材の出荷を行っていた岩城庄七の子)が東京からうちわ職人を招き、うちわ骨の生産を始めたのが房州うちわの起源であるとする[4][3]。ただし、当初は当地で生産したのはうちわ骨だけであり、東京で「江戸うちわ」として仕上げていた[4]

当地でのうちわ生産については、1887年(明治20年)頃[注釈 2]から那古の忍足信太郎が竹を加工した半製品(割ぎ竹[5])を出荷するようになったことや[2]、1907年(明治30年)に岩城庄七が本格的な割ぎ竹の加工・出荷を始めたこと[2][5]を、その始まりとして位置づける叙述もある。

1923年(大正12年)の関東大震災により、東京のうちわ生産は大きな打撃を受けた[4]。東京のうちわ問屋が那古港に近い船形地区(現在の館山市船形)へ移住し、房州でのうちわ生産が本格化した[1](東京のうちわ問屋・横山寅吉は、震災前の1921年(大正10年)に船形町に移転し[5][注釈 3]、うちわ骨から完成品まで生産する一貫生産を開始していた[4][2]という)。震災後には、県による産業育成指導もあり、町を挙げてのうちわ生産も行われるようになった[5]。これが「房州うちわ」としてのブランド確立に至った[4][2]。那古・船形・富浦といった漁師町では、うちわづくりが女性の内職として歓迎された[5][3]。最盛期には年産800万本に達したという[1]

1984年昭和59年)、千葉県指定伝統的工芸品に認定された。

2003年平成15年)、経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定された[6]

脚注

注釈

  1. ^ 京うちわは骨に木製の柄を別個に取り付ける。丸亀うちわは平たく削った男竹(真竹)を用いる。
  2. ^ 1890年(明治23年)と年代を特定する記述もある[5]
  3. ^ 移転の時期を震災後とする叙述もある[2]

出典

  1. ^ a b c (モノごころヒト語り)うちわ/装い・広告…多様な役目『日本経済新聞』夕刊2017年7月8日
  2. ^ a b c d e f 門前のまちと港のまち -那古・船形- (10) 房州うちわ生産地(那古・船形地区)”. たてやまフィールドミュージアム. 館山市立博物館. 2018年12月5日閲覧。
  3. ^ a b c d 房州うちわの歴史”. 房州うちわ振興協会. 2018年12月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e 22.房州うちわ今昔”. 千葉県教育委員会. 2018年12月5日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 伝統工芸としての房州うちわ”. 館山市. 2018年12月5日閲覧。
  6. ^ “房州うちわ 国の伝統的工芸品に指定”. 房日新聞社. (2003年3月18日) 

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「房州うちわ」の関連用語

房州うちわのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



房州うちわのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
伝統的工芸品産業振興協会伝統的工芸品産業振興協会
Copyright (C) 2025 (財)伝統的工芸品産業振興協会 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの房州うちわ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS