感情労働者として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 03:33 UTC 版)
風俗嬢の仕事は肉体労働であると同時に、感情労働の要素も強い。感情労働とは社会学者のホックシールド(Arlie Russell Hochschild)が提唱した労働のあり方で、相手に感謝や安心の気持ちを引き起こすために、「公的に観察可能な表情や身体的表現をつくるために行う感情の管理」と定義される。 風俗嬢やホステスのような「ヒューマン・サービス」では、客の心を満たす為に、親しみを感じさせる言動や振る舞いをする。しかしサービスを提供する側も人間であるため、マナーを知らない客に苛立ったり、悲しんだりすることも当たり前にある。そうした負の感情を制し、様々な客に対していかに臨機応変に接することができるか、という点が感情を制御して労働している状態ということになる。このような労働は高度になるほど、一時の感情に振り回されず冷静に対応することが求められる。 感情労働が求められる職場では、過剰適応の状態が続くため注意が必要である。過剰適応とは、自分の気持ちを押し殺して相手に合わせる心理状態のことを指す。一見うまくいっているように見えても、内面的には全く良くない状態がつづけば、抑うつ傾向が高くなるなどメンタルヘルスにマイナスの影響が出る。過剰適応を改善するには、アサーティブな自己表現が有効とされる。アサーティブな自己表現には、自分も他人も許す、自分の感情も他人の感情も大事にする心掛け、折り合いをつける、過剰な要求は断る、などの考え方がある。
※この「感情労働者として」の解説は、「風俗嬢」の解説の一部です。
「感情労働者として」を含む「風俗嬢」の記事については、「風俗嬢」の概要を参照ください。
- 感情労働者としてのページへのリンク