悪の花とは? わかりやすく解説

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悪の華

(悪の花 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 10:15 UTC 版)

悪の華
Les Fleurs du mal
ボードレールによる書き込みがなされた1857年版『悪の華』扉。
作者 シャルル・ボードレール
フランス帝国
言語 フランス語
ジャンル 詩集象徴主義
初出情報
初出 18篇-『両世界評論』1855年
刊本情報
刊行 初版:プーレ・マラシ社 1857年6月25日
第2版:1861年(定本)
日本語訳
訳者 馬場睦夫
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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悪の華』(あくのはな、フランス語: Les Fleurs du mal)は、シャルル・ピエール・ボードレールの詩集(『悪の花』とも)。はじめ題名は『冥府』となる予定だった。

詩人の生誕から死までを退廃的、官能的に表現する。ボードレール唯一の韻文詩集。象徴主義詩の始まりとされ、各国の詩人たちに多大な影響を与えた。   

概要

カルロス・シュヴァーベによる『悪の華』イラストレーション、「死」(1900)

ほとんどの作品は1850年までに書かれた。初版は1857年に刊行。「憂鬱と理想」「悪の華」「反逆」「葡萄酒」「死」の5章に、序詩(読者へ)を含めた詩101篇を収録する。このうち6編が反道徳的であるとして、有罪・罰金処分を受け、該当詩の削除を命ぜられる。その6篇は『レスボス』、『地獄に落ちた女たち』『レーテー』『陽気すぎる娘へ』『宝石』『吸血鬼の変身』で、後に「禁断詩篇」と呼ばれた。

第2版は1861年に刊行。禁断詩篇6篇を削除し、32篇を追加。「パリ情景」を加えた6章構成として配列を変更し、全127篇を収録する。現在はこの第2版が定本となっている。

ボードレール死後の1868年に、友人たちが編集しゴーティエの序文論考[1] を加えた『悪の華』(ミシェル・レヴィ版全集第1巻)が刊行された。補遺詩集『漂着物』(1866年)の詩篇を含め152編を収録し、第3版と呼ばれる。ボードレール自身も第3版を構想していたが、全集は死後の刊行であり、必ずしもボードレール自身の意に沿ったものではないとされる。なお、禁断詩篇6篇は第3版にも収録されていない(1866年刊行の『漂着物』、1869年の『悪の華・補遺』に収録)。

日本語訳

「悪の華」による音楽作品

脚注

  1. ^ 回想を交えた評伝。訳書は『ボードレール』(井村実名子訳、国書刊行会、2011年)。
  2. ^ 副読本に、多田、杉本らによる『ボードレール 詩の冥府』筑摩書房、1988年。のち『杉本秀太郎文粋Ⅰ エロスの図柄』筑摩書房、1996年
  3. ^ 安藤元雄『『悪の華』を読む』がある、水声社、2018年
  4. ^ 阿部・福永・齋藤も、ボードレール論がある。各項目参照。

参考文献

外部リンク




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