心身問題に対する一元論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 08:42 UTC 版)
一元論は、唯一の基礎的実体だけが存在すると主張する。今日、最も広く受け入れられている一元論は物理主義(Physicalism)である。物理主義的な一元論は、物理的な実体だけが唯一存在しており、我々の科学が最もよくその性質を明らかにする,と主張する。しかし、物理主義といえども、その定式化は多様なものであり得る(下記を参照)。 一元論のもうひとつの形態は観念論(唯心論)である。これは存在する唯一の実体は精神的なものであると主張する。これは現在の西洋哲学においては一般的ではない。 現象主義は、外的対象の表象(あるいはセンス・データ)が存在するもののすべてである、とする理論である。この考え方は、20世紀初頭、バートランド・ラッセルや多くの論理実証主義者が一時的に採用したものである。 第三の可能性は、存在するのは物質的でも精神的でもない何かである、という考えである。精神的なものも、物質的なものも、両方ともこの中立的な実体のもつ性質であるということになる。この立場は、スピノザが採用し、19世紀になってエルンスト・マッハによって広まったものである。こうした中立的一元論は、いわゆる性質二元論(Property dualism)に似ている。
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