形態・色彩の単純化としての綜合主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/14 14:32 UTC 版)
「綜合主義」の記事における「形態・色彩の単純化としての綜合主義」の解説
ゴーギャン、ベルナール、ラヴァル、アンクタンら、ポン=タヴァン派の画家たちは、1889年、パリ万国博覧会の会場の一隅にあるカフェ・ヴォルピーニで、「印象主義および綜合主義グループ」と自称する展覧会(ヴォルピーニ展(英語版))を開いた。「印象主義」という言葉を掲げてはいるが、宣伝上の必要によるものにすぎず、むしろ、その内容は、反印象派的なものであった。すなわち、印象派が、感覚で捉えられた外界を忠実に画面に表現しようとしていたのに対し、ポン=タヴァン派は、絵画に思想的・哲学的内容を盛り込もうと考えた。ゴーギャンは、印象派を次のように激しく批判している。 彼ら〔印象派の画家たち〕は、自分たちの眼の周囲のみを探し回っていて、思想の神秘的内部に入り込もうとしない。それは完全に皮相的で、完全に物質的で、媚態だけから出来上がっているような芸術である。そこには思想は住んでいない。 そして、印象派が、光を画面に表現する際、原色による細かな筆触に分割するという色彩分割の手法をとったのに対し、ポン=タヴァン派は、強く太い輪郭線によって対象の形態を捉え、平坦な色面で画面を構成するという手法をとった。このような手法はクロワゾニスムと呼ばれ、綜合主義はクロワゾニスムとほぼ同義で使われることもある。
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