建築的要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 06:02 UTC 版)
宮殿部の屋根は原始的な入母屋造で、上半の急傾斜部分と下半の傾斜のゆるい屋根面との間に段差をつくる錣葺(しころぶき)とする。軒下の組物は法隆寺西院伽藍にも用いられている雲形肘木とする。雲形肘木の形態などは法隆寺金堂と似るが、異なっている部分も少なくない。金堂では建物側面の組物は壁と直角方向に突出しているのに対し、玉虫厨子の組物は放射状に配置されている。金堂では柱は円柱、軒裏の垂木を角垂木とするのに対し、玉虫厨子は角柱に丸垂木である。玉虫厨子の場合は小型の作品であり、実際の建築物に比べて省略されている部分もあるが、屋根を錣葺とする点、組物の配置など、全体に金堂よりも古い様式を示しており、7世紀の日本仏教建築の様式を知るうえで貴重な資料である。
※この「建築的要素」の解説は、「玉虫厨子」の解説の一部です。
「建築的要素」を含む「玉虫厨子」の記事については、「玉虫厨子」の概要を参照ください。
- 建築的要素のページへのリンク