広義の反強磁性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:10 UTC 版)
上記の説明は典型的な反強磁性について述べている。いくつかの物質においては、より複雑なスピン配列が形成されている。全体として磁気モーメントを持たないという点で、これらも広義の反強磁性と位置づけられている。 マンガン 常温安定相であるα-マンガンは単位胞あたり58個の原子を含む複雑な立方晶であり、原子の位置により4種類の異なるスピンを持っていると考えられている(詳細はいまだ明らかになっていない)。 クロム 体心立方構造の頂点位置と体心位置のスピンが反対方向を向いているだけでなく、スピンの大きさが単位胞ごとに正弦関数的に変化している。 ランタノイド元素 ユウロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウムにおいて、隣り合うスピンが0度(平行)と180度(反平行)の中間の角度をとる構造が観察されている。これをらせん磁性と呼ぶ。 また、フェリ磁性や弱強磁性は全体として磁気モーメントを持つために強磁性の一種と位置づけられているが、スピン配列からみるとむしろ反強磁性の変形である。
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