平成18年台風第4号
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台風第4号(Bilis) | |
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トロピカル・ストーム (SSHWS) | |
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衛星画像(7月12日)
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発生期間 | 2006年7月9日6時 - 7月15日6時(UTC) |
寿命 | 6日間 |
最低気圧 | 970 hPa |
最大風速 (日気象庁解析) |
60 knot |
被害総額 | 44億ドル(2006 USD) |
死傷者数 | 死者859人 |
被害地域 | ![]() ![]() |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
平成18年台風第4号(へいせい18ねんたいふうだい4ごう、アジア名:Bilis)は、2006年7月に発生し、中国などに大きな被害をもたらした台風である[1]。
概要

2006年7月9日、フィリピンの東で台風4号が発生し、アジア名「ビリス(Bilis)」と命名された[1][2]。命名国はフィリピンで、「スピード」を意味する[2]。また、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はこの台風について、フィリピン名「フロリタ(Florita)」と命名している。台風はその後北西寄りに進み続け、先島諸島や台湾に接近した後[3][4]、14日に中国の福建省霞浦県に上陸して江西省へと進み、15日に熱帯低気圧に変わった[2]。
影響・被害
台風の影響で中国では612人が死亡したほか、フィリピンでも28人が死亡するなどし、合計で800人以上が犠牲となった。中国では、被災者29,623,000人、倒壊家屋約263,000棟に達した[5]。
秋田県では11日、この台風によって南から暖かい大気が吹き込んでフェーン現象気味となったため、由利本荘市東由利で32.8度、仙北市角館で32.4度、五城目町で32.0度、秋田市で31.6度などとなり、各地で気温が上がった[6]。12日には、台風が北上して八重山諸島の南海上で北緯20度を越えたため、沖縄本島と奄美群島では6mを超える大しけとなった他、本州の広い範囲で4m程度の高波が発生した[4]。また、石垣島では最大瞬間風速36.9m/sを観測した[4]。
その他
この台風のアジア名である「ビリス(Bilis)」は、この台風限りで使用中止となり、次順からは「マリクシ(Maliksi)」というアジア名が使用されることになった。
脚注
- ^ a b 「台風3号、勢力保ち北上・久米島で風速40メートル」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2006年7月9日。オリジナルの2006年7月12日時点におけるアーカイブ。2025年9月4日閲覧。
- ^ a b c “デジタル台風:2006年台風4号(ビリス|BILIS)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年5月27日閲覧。
- ^ 「台風4号 あす暴風域のおそれ 八重山直撃コースで接近」『八重山毎日新聞』株式会社八重山毎日新聞、2006年7月12日。オリジナルの2008年4月15日時点におけるアーカイブ。2020年5月27日閲覧。
- ^ a b c 「台風4号接近 八重山が暴風域、沖縄・奄美も大しけ」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年7月13日。オリジナルの2006年7月17日時点におけるアーカイブ。2025年9月4日閲覧。
- ^ “メンバー国防災情報”. Asian Disaster Reduction Center(ADRC). 2020年7月23日閲覧。
- ^ 「午前中から気温ぐんぐん上昇/県内今夏一番の暑さ」『秋田魁新報』秋田魁新報社、2006年7月11日。オリジナルの2006年7月14日時点におけるアーカイブ。2020年5月27日閲覧。
外部リンク
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