帝室制度史とは? わかりやすく解説

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帝室制度史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/26 21:07 UTC 版)

帝室制度史』(ていしつせいどし)は、帝国学士院により編纂された日本帝室制度の基本的な研究書。

続編は『皇室制度史料』(こうしつせいどしりょう)で、後年に宮内庁書陵部編纂で、現在も吉川弘文館より刊行中である。

概要

1920年1月に皇室より帝国学士院に対して学術奨励を目的として1万円が下賜された。これに対して学士院では、1万円の一部を皇室に関する諸制度の本質・意義を明らかにする帝室制度の研究に用いる院議がなされた。そこで岡野敬次郎三上参次美濃部達吉を担当委員、和田英松五味均平山本信哉を調査嘱託員として、調査嘱託員のもとに歴史学者を結集させ史料の採集・編纂などの研究事業にあたることになった。

途中、担当委員・調査嘱託員の死去などにより補充が行われ、前者には服部宇之吉辻善之助穂積重遠久松潜一が、後者には諸橋轍次龍粛芝葛盛坂本太郎などが任じられた。

1938年3月に最初の巻が発行(ただし、奥付は前年3月の日付となっている)され、太平洋戦争下の1945年3月までに下記6巻が発行された。

第二次世界大戦を経て1949年に帝国学士院が日本学術会議の下部組織(日本学士院)に変更され、同年に宮内府図書寮に移管され、更に宮内府図書寮も宮内庁書陵部となるなど、安定した編纂体制が確立されるに至らず、一時中断した。

昭和後期の1978年に『皇室制度史料』に名称を改め、編纂刊行が再開された。翌年に『帝室制度史』も吉川弘文館で、全6巻組が旧版復刻された。

平成期の2013年までに『皇室制度史料』太上天皇編3冊、摂政編2冊、皇族編4冊、后妃編5冊、儀制誕生編4冊、儀制成年式編3冊が刊行された。令和に入った2025年までにさらに6冊が刊行された(菊葉文化協会発行、吉川弘文館販売に移行)。

帝室制度史は章・節・款に分けられて各款に本文が記されて、関連史料が配列されている。時代的な制約はあるものの、厳密にして考証が尽くされた本文と豊富な史料収集によって今日まで皇室の歴史的な研究を行う上での基本的な文献とされている。これは皇室制度史料にも継承されている。

刊行史料

参考文献




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