左丘明とは? わかりやすく解説

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左丘明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 20:07 UTC 版)

左丘明(さきゅうめい、生没年不詳)は、中国春秋時代の人物。『論語』に登場する。

伝統的に『春秋左氏伝』や『国語』の作者とされているが、『春秋左氏伝』の偽作説とも関連し、不明な点が多い。

名前

「左丘明」という名前がどのように区切られるかは、諸説ある。

  • 「左」が氏で、「丘明」を名とする。もっとも伝統的な説である[1]
  • 「左丘」が氏で、「明」を名とする[2]
  • 「左」は官職(左史)で、「丘」が氏、「明」を名とする[3]

「左邱明」と書いてあることもあるが、これは孔子の名の「丘」を避諱したものである[4]

出身

伝統的にの人とされる[5]。『魏書』地形志は、兗州東平郡富城県[6]に左丘明の冢があると記す。

時代

論語』公冶長篇では、孔子が左丘明を称えているため、孔子と同時代かそれより前の人と見られる。

『春秋左氏伝』の作者については、劉向『別録』にて、「左丘明が『左伝』を曽申(曽子の子)に伝え、曽申が呉起に伝えた」としている[7]。このことからは孔子と同時代か、それより少し後の人と見られる。

失明説

史記』太史公自序によると、左丘明は目が見えなかったという[8]

春秋左氏伝

『史記』十二諸侯年表に左丘明が『左氏春秋』を作ったことを述べ[5]、『漢書』司馬遷伝も同様である[9]

ただし、『春秋左氏伝』の指す「左氏」が左丘明でないとする説も以来存在する[10]。また、司馬遷の言う『左氏春秋』が現在の『春秋左氏伝』と同一の書であったかどうかは、劉逢禄以来の議論がある。

国語

『史記』太史公自序[8]や『漢書』司馬遷伝[9]では、左丘明を『国語』の作者でもあるとしている。

子孫

朝鮮氏族済州左氏の始祖である左亨蘇は、左丘明の子孫とされる[11]

脚注

  1. ^ 『春秋左伝正義』「春秋序」の「左丘明受経於仲尼」の疏に「以其姓「左」、故号爲『左氏伝』也。」とある
  2. ^ 鄭樵通志』 氏族略、以族為氏、左氏https://archive.org/stream/06058576.cn#page/n124/mode/2up。「臣謹按、所著『春秋伝』即倚相之後、世為楚左史官、非左邱明。明居左邱、為左邱氏、非左氏也。」 
  3. ^ 兪正燮『癸巳類稿』 巻七・左邱明子孫姓氏論、1833年https://archive.org/details/02096532.cn/page/n80/mode/2up?view=theater 
  4. ^ 欽定大清会典則例』 巻六十八・学校、1747年https://archive.org/stream/06053990.cn#page/n6/mode/2up。「(雍正)三年諭。古有諱名之礼、所以昭誠、敬致尊崇也。孔子道高千古、徳冠百王。(中略)自今或改読某音、或別易他字。(中略)又諭。(中略)除五経四子書外、凡遇此字、並加「阝」為「邱」。」 
  5. ^ a b 『史記』十二諸侯年表「魯君子左丘明、懼弟子人人異端、各安其意、失其真。故因孔子史記、具論其語、成『左氏春秋』。」
  6. ^ 現代の山東省泰安市肥城市
  7. ^ 『春秋左伝正義』「春秋序」の疏に「拠劉向『別録』云「左丘明授曽申、申授呉起、起授其子期、期授楚人鐸椒。鐸椒作『抄撮』八巻、授虞卿。虞卿作『抄撮』九巻、授荀卿。荀卿授張蒼。」」とある
  8. ^ a b 『史記』太史公自序「左丘失明、厥有『国語』。」
  9. ^ a b 『漢書』司馬遷伝賛「及孔子因魯史記而作『春秋』、而左丘明論輯其本事是以為之伝、又纂異同為『国語』。」
  10. ^ 新唐書』儒学列伝下・啖助「助愛公・穀二家、以左氏解義多謬、其書乃出於孔氏門人。且『論語』孔子所引、率前世人老彭・伯夷等、類非同時、而言「左丘明恥之、丘亦恥之」。丘明者、蓋如史佚・遅任者。又『左氏伝』・『国語』属綴不倫、序事乖剌、非一人所為。蓋左氏集諸国史以釈『春秋』、後人謂左氏、便傅著丘明、非也。」
  11. ^ 성씨의 고향|청주좌씨” (朝鮮語). 중앙일보 (1982年3月4日). 2022年9月23日閲覧。


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