巒頭と理気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 09:59 UTC 版)
風水には「巒頭派」と呼ばれる系列と「理気派」と呼ばれる系列とがある。 巒頭(らんとう)は、その土地の気の勢いや質を地形等の形成を目で見える有形のもので判断する方法であり、形法、形勢派、巒体派などとも呼ばれ、江西省で発達したことから江西学派とも呼ばれる。理気(りき)は陰陽五行思想や八卦、易理(易)、方位など目に見えないもので判断する方法であり、理法、理気派、屋宅派などとも呼ばれ、福建省で発達したことから福建学派とも呼ばれる。 巒頭風水では、大地における気の流れを重視し、龍脈からの気の流れが阻害されておらず、運ばれてきた気が溜まり場になっているような土地に都市や住宅を建造しなければならないとする。そうすることによってその地方や一家に優秀な人材が輩出され、冨にも恵まれると考えた。陰宅すなわち墳墓も同様であり、祖先がいる場所が子孫に影響を与えるとし、土地がよければ子孫は繁栄し、悪ければ没落すると考えられている。 一方、理気風水では、方位の吉凶を重視し、個々人の生年月日によって決定される方位の吉凶にもとづき住居や墓の方位、住居内の配置などを決める。 巒頭派によれば、巒頭の作用は80%、理気の作用は20%に過ぎないとするが、理気派によっても、巒頭の作用が60%、理気の作用は40%としており、巒頭優先である。目崎茂和は巒頭派と理気派の区別について、古代中国の山地部では地勢を見る巒頭派が盛んになり、巒頭の基準となる山が無い平野部では方角を見る理気派が盛んだったのだろうとしている。
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