山十邸ゆかりの文学作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/14 17:31 UTC 版)
「古民家山十邸」の記事における「山十邸ゆかりの文学作品」の解説
この山十邸の建築と前後して、1882年(明治15年)、この熊坂家の熊坂長庵が藤田組贋札事件の贋札づくりの犯人として逮捕されている。 無期徒刑の有罪判決を受けた長庵は大審院に上告したが棄却され、1883年10月に有罪が確定し、1884年(明治17年)、北海道の監獄へ送られた。1886年(明治19年)に長庵は獄中で病死している。 この事件をモチーフに書かれたのが松本清張の短編小説「相模国愛甲郡中津村」である。 1963年初出のこの小説では、熊坂長庵のひ孫と名乗る男性が藤田組贋札事件の真犯人に関する重要な文献を持っていると言って主人公を愛川町中津にある自宅へと誘うという筋書きである。なお、熊坂長庵のひ孫という男性は中村九右衛門と名乗る。その自宅は「百姓家ともしもた家ともつかない小さな家」と表現されており、山十邸とは考えられない。 同じく松本清張の作品「砂の審廷 小説東京裁判」にも清張が大川周明の邸宅を訪ねる描写がある。そこではこの屋敷がかつて熊坂長庵の屋敷であったこと、偽札事件のことにも言及されている。
※この「山十邸ゆかりの文学作品」の解説は、「古民家山十邸」の解説の一部です。
「山十邸ゆかりの文学作品」を含む「古民家山十邸」の記事については、「古民家山十邸」の概要を参照ください。
- 山十邸ゆかりの文学作品のページへのリンク