局所的な脂質生成による活性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 05:59 UTC 版)
「脂質依存性イオンチャネル」の記事における「局所的な脂質生成による活性化」の解説
酵素がチャネルと複合体を形成すると、チャネル近傍にバルク膜中のリガンドよりも高濃度のリガンドが生成されると考えられている。理論的な推定では、イオンチャネル近傍で生成されるシグナル伝達用脂質の初期濃度はミリモル程度であると見積もられているが、膜内での脂質拡散に関する理論的計算により、リガンドはチャネルを活性化するには非常に速く拡散してしまうと考えられていた。しかし、Comoglioらは、ホスホリパーゼD2酵素がTREK-1に直接結合し、チャネルを活性化するために必要なPAを生成することを実験的に示した。Comoglioらの結論は実験的に確認され、TREK-1に対するPAの解離定数が10マイクロモルであり、Kdが膜内のバルク濃度よりもはるかに弱いことが示された。これらのデータを総合すると、PAは100マイクロモル以上の局所的な濃度でなければならず、膜中で脂質の拡散が何らかの形で制限されていることが示唆される。
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