小河内沢と御所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 04:50 UTC 版)
小渋川本流沿いの集落としては最も上流にある釜沢地区では、「小河内沢」という支流が北から合流する。小河内沢は、烏帽子岳(2726m)・小河内岳(2802m)の西斜面を下ってくる支流である。烏帽子岳の山頂直下には「烏帽子岳のナギ」という崩壊地形がある。小河内沢は西へ向かっていくつかの沢を集めた後、南東へ向きを転じる。そのあたりを「御所平」といい、かつて宗良親王の館があった。今は定住者もなく草原と化しているが、その中に何本かの松の古木があるほか、付近の「的場」からは鉄製の矢尻が複数見つかっており、かつて武士の調練場があったと考えられている。宗良親王の遺した和歌に「いづかたも 山のは近き 柴の戸は 月見る空や すくなかるらむ」というものがあり、これは御所で詠まれたものだと考えられている。 また、釜沢地区にある宇佐八幡神社の宝篋印塔は宗良親王の墓所と伝えられている。釜沢地区からは小渋川の右岸に県道253号が走っており、沿道の小渋温泉や上蔵地区にも宗良親王ゆかりの史跡が散在する。 小河内沢の標高1100m付近に設けられた砂防ダムには「御所平取水堰」が併設されている。小渋川の源流に近い七釜と小河内沢の御所平から取水した水は、下流の大鹿発電所に送られて発電に利用されている。
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