対称成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:08 UTC 版)
n 次正方行列全体の成す空間を Matn と書くことにする。n 次対称行列は主対角線およびそれよりも上側にある n(n + 1)/2 個のスカラーで決まり、同様に歪対称行列も主対角線よりも上にある n(n − 1)/2 個のスカラーで決定される。n 次対称行列全体の成す空間 Symn およびn 次歪対称行列全体の成す空間 Skewn に対して Matn = Symn + Skewn および Symn ∩ Skewn = {0} が成り立つから、すなわち直和分解 Mat n = Sym n ⊕ Skew n {\displaystyle {\mbox{Mat}}_{n}={\mbox{Sym}}_{n}\oplus {\mbox{Skew}}_{n}} が成立する。実際、X ∈ Matn に対して X = 1 2 ( X + X ⊤ ) + 1 2 ( X − X ⊤ ) {\displaystyle X={\frac {1}{2}}(X+X^{\top })+{\frac {1}{2}}(X-X^{\top })} と書けば、(1/2)(X + XT) ∈ Symn かつ (1/2)(X − XT) ∈ Skewn は一意に定まる。このことは標数が 2 でない任意の体に成分をとる任意の正方行列 X について成立する。
※この「対称成分」の解説は、「対称行列」の解説の一部です。
「対称成分」を含む「対称行列」の記事については、「対称行列」の概要を参照ください。
- 対称成分のページへのリンク