対応する双線型形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 14:32 UTC 版)
「双線型形式#対称性、歪対称性および交代性」も参照 任意の体 K 上の n-次元ベクトル空間 V において、V の基底を固定すれば、V 上の双線型形式 φ は適当な n×n-行列 A によって φ(v,w) := v⊤Aw と表されることを思い出そう。 V 上の双線型形式 φ: V × V → K が 交代形式であるとは、非零ベクトル v を任意として交代性: φ(v,v) = 0 を満たすことを言う。 歪対称形式であるとは、ベクトル v, w を任意として歪対称性: φ(v, w) = −φ(w, v) を満たすことを言う。 V 上の交代形式(resp.歪対称形式)は、基底を一つ固定すれば、交代行列(resp.歪対称行列) A を用いて上記の形に表され、逆に Kn 上の交代行列(resp.歪対称行列) A は交代形式(resp.歪対称形式)(v,w) ↦ v⊤Aw を定める。 A が交代的ならば、任意の実ベクトル x に対して x⊤Ax = 0 が成り立つ。実際、x⊤Ax はスカラー値ゆえ転置と自身とが一致するが、同時に積の転置法則と A の交代性から x ⊤ A x = ( x ⊤ A x ) ⊤ = x ⊤ A ⊤ x = − x ⊤ A x {\displaystyle x^{\top }Ax=(x^{\top }Ax)^{\top }=x^{\top }A^{\top }x=-x^{\top }Ax} が成り立つ。またこの逆も成り立つ。実際、A が交代的でないならばその対称成分が 0 でない固有値 λ を持ち、λ に属する正規化された固有ベクトルを v とすれば v⊤Av = λ が成立する。
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