審査の機会のタイミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 09:52 UTC 版)
「最高裁判所裁判官国民審査」の記事における「審査の機会のタイミング」の解説
最高裁判所裁判官の就任直後に衆議院総選挙があると、その裁判官は最高裁判所裁判官としての実績がほとんどないため、判断材料の限られる状況で審査を受けることになってしまう。具体的な例として、林藤之輔は1986年6月13日に最高裁判所裁判官に就任し、24日目の7月6日に国民審査を受けている。 逆に、任命されてから退官するまでの間に衆議院総選挙が行われなかった場合には、その裁判官は実績の有無に関わらず国民審査を受けることはない。実際に国民審査を受けなかった最高裁判所裁判官は過去に3人存在する(就任後1年未満で依願退官した庄野理一と、就任後2年余で在任中に死去した穂積重遠、就任後3年余で定年退官となった宮崎裕子)。 衆議院総選挙後に66歳以上で最高裁判所裁判官に任命された者は、次の衆議院総選挙が行われる前に70歳になって定年退官する可能性が有り得る。具体的な可能性が存在した例としては、下記の者が該当する。 三淵忠彦(定年退官日:1950年3月2日、衆院議員任期満了日:1951年4月24日) 塚崎直義(定年退官予定日:1951年5月9日、衆院議員任期満了日:1951年4月24日) 穂積重遠(定年退官予定日:1953年4月10日、衆院議員任期満了日:1953年1月22日) 柏原語六(定年退官日:1967年9月19日、衆院議員任期満了日:1967年11月20日) 佐藤庄市郎(定年退官日:1994年2月15日、衆院議員任期満了日:1994年2月17日) 味村治(定年退官日:1994年2月6日、衆院議員任期満了日:1994年2月17日) 深澤武久(定年退官日:2004年1月4日、衆院議員任期満了日:2004年6月24日) 須藤正彦(定年退官日:2012年12月26日、衆院議員任期満了日:2013年8月29日) 宮崎裕子(定年退官日:2021年7月8日、衆院議員任期満了日:2021年10月21日) 2012年12月までは、在任中に依願退官した塚崎・死亡した穂積を除く7人はいずれも定年退官前に衆議院解散による衆議院総選挙とともに実施された国民審査を受けたが、前述の通り2021年7月に宮崎は国民審査を受けることなく定年退官した初めての最高裁裁判官となった。
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