家族性脂質異常症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 21:22 UTC 版)
悪玉コレステロール (LDL) の代謝異常など先天的要因による脂質異常症で、治療回復が困難である。 I型家族性脂質異常症 末梢組織が血液中を循環するリポタンパク質から脂肪酸を受け取る際に使われるリポタンパク質リパーゼ、あるいはそれを活性化するアポ蛋白である apo C-II の機能不全により、血液中の脂肪が末梢に行き渡らず、血液中に増えるために起こる。血中キロミクロン濃度の増加が見られる。 II型家族性脂質異常症 悪玉コレステロール (LDL) はLDL受容体を介して末梢細胞に取り込まれるが、このLDL受容体を欠損あるいは障害を受けた場合に発症し、血中のLDLが増加するために発症する。 III型家族性脂質異常症 末梢細胞によるリポ蛋白認識の際にマーカーとなるアポ蛋白Eの3種の分子種(apo E2、E3およびE4)のうち、正常型のE3に対して受容体への結合力の弱いE2を発現していると、キロミクロンレムナントや中間比重リポタンパク (IDL) の血中からのクリアランスが低下してこれらが蓄積するために発症する。特徴的な症状には手掌線条黄色腫がある。
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