家族ワクフとは? わかりやすく解説

家族ワクフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 03:10 UTC 版)

ワクフ (イスラム)」の記事における「家族ワクフ」の解説

オスマン帝国流行したワクフ悪用した脱税を、原義ワクフ区別して家族ワクフと呼ぶ。現代日本における宗教法人財産同様にオスマン帝国制度ではワクフ指定され土地建物など財産およびそこから発生する利益非課税となった。これを悪用し資産家自分土地財産モスクワクフとして寄付して自分自身がその財産の管理者やモスク管理するウラマーなどになって利益大半経費などの名目独占していた。家族ワクフの拡大オスマン帝国税収圧迫するほどにまで膨らみモスク周囲にはワクフとして寄進され広大な土地広がり実質的にモスク領地とも言うべき物が形成された。これによってモスク財産集中しモスクの建設維持管理大半費やされるようになり豪華壮大なモスク各地建設されるようになったオスマン帝国崩壊後に家族ワクフは禁止されるようになった似たような現象エジプトマムルーク朝でも発生した14世紀後半より、スルターンアミールたちは国有地自己のイクターワクフ指定してその利潤自己の財産として部下兵士たち給与財源などに充てた。アミールからスルターンになったバルクーク事情は同じであり、彼はアムラーク庁(私有不動産庁)を創設し多く私有地中には国有地も)を自己のためのワクフとして自己の権力維持のための財源とした。バルクーク没後、わずか2代彼の血統スルターン位を失い多く私財国家没収されたが、ワクフからの収益一部依然として生き残った彼の子孫の間で分配されていた。

※この「家族ワクフ」の解説は、「ワクフ (イスラム)」の解説の一部です。
「家族ワクフ」を含む「ワクフ (イスラム)」の記事については、「ワクフ (イスラム)」の概要を参照ください。

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