家庭内労働者に関するILOによる推計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 21:05 UTC 版)
「家庭内労働者」の記事における「家庭内労働者に関するILOによる推計」の解説
ILOによる2010年の推計によると、全世界で家庭内労働者として働く人は5255万人であるとされ、1990年に比べて6割増えている。地域別にみると、アジア・太平洋地域(すなわち中国、インド、東南アジア)では2147万人(2010年)、中南米・カリブ海地域では1959万人(同)、アフリカ地域では524万人(同)、先進国地域(西欧、北米、豪州、日本など)では356万人(同)、中東地域では211万人(同)、東欧・・CIS地域では60万人(同)となっている。就業先の国別では、中国、ブラジル、インド、インドネシア、フィリピンなど新興国が目立つ。経済成長に伴い女性の社会進出が進む一方、福祉制度は充実しておらず、家の面倒を見てくれる家政婦の需要は高まっているためと分析されている。一方送り出す国の側からすると、受け入れ先の国などが経済危機などに陥ると建設労働者の働き口は減ってしまうおそれが高いが、家事労働者の需要は減りにくく、安定しているという利点もある。家庭内労働者の地位や待遇は、エンジニアや看護師などの専門職に比べて低い。ILOは家庭内労働者の賃金を「他の職種に比べると平均して4割程度」と推計する。香港を拠点に世界46カ国・地域の家事労働者を支援する「国際家事労働者連盟」によると、賃金の相場は香港で月6万円、フィリピンのマニラでは月1万2000円程度である。待遇については、住み込みで働く人も多く、長時間労働を強いられがちである。雇い主による虐待事件も相次ぐ。
※この「家庭内労働者に関するILOによる推計」の解説は、「家庭内労働者」の解説の一部です。
「家庭内労働者に関するILOによる推計」を含む「家庭内労働者」の記事については、「家庭内労働者」の概要を参照ください。
- 家庭内労働者に関するILOによる推計のページへのリンク