完全流体・ポテンシャル流の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:21 UTC 版)
「水理学」の記事における「完全流体・ポテンシャル流の研究」の解説
18世紀に確立した流体力学は、数学の複素関数論による研究と融合し、完全流体、特に渦なし流れであるポテンシャル流の研究へと発展していった(理論水理学)。 フランスを中心にたくさんの応用数学者がこの研究に関わったが、代表的な人物にヘルマン・フォン・ヘルムホルツやグスタフ・キルヒホフ、ジョージ・ビドル・エアリーらが挙げられる。彼らの研究により多くの流れが解析され、19世紀末にはポテンシャル流理論はほぼ完成し、1932年のホーレス・ラム(英語版)による『Hydrodynamics(第6版)』で集大成を迎えた。 しかし、これらはあくまで完全流体に対するものであって、「ダランベールのパラドックス」を回避できず流体抵抗や流れのエネルギー損失を計算できなかった。そのためこれらの研究は実際には実用とはかけ離れたものとなり、半ば「学者のお遊び」となりつつあった。ただし、流れの抵抗が関係しない水面波については、エアリの研究により実験と一致することが確認された。
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