速度ポテンシャル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/15 14:40 UTC 版)
速度ポテンシャル(そくどポテンシャル、英: Velocity potential)[1][2]は、流体力学において、渦なし流れの解析に用いられる。速度ポテンシャルを持つ流れをポテンシャル流と呼ぶ。
速度ポテンシャルΦは次式を満たすようなスカラー場である。
ただし、u は流体の速度であり、渦なし、つまり
を満たす。これはベクトル解析における
の性質を用いている(ナブラ#二階微分を参照)。
一般のポテンシャルと異なり、速度ポテンシャルの定義には負号がつかないことに注意。
性質
- 領域が単連結であれば速度ポテンシャルΦは一価関数、多重連結であれば多価関数である。
- 速度u および流線は速度ポテンシャルΦの等値面(等ポテンシャル面)に直交し、速度ポテンシャルの法線方向n の微分が速度を与える:
- 非圧縮性流体の渦なし流に対しては、速度ポテンシャルΦは調和関数となる。
参考文献
- ^ 巽友正 『流体力学』培風館、1982年。ISBN 4-563-02421-X。
- ^ 今井功 『流体力学(前編)』裳華房、1997年。ISBN 4-7853-2314-0。
関連項目
渦なし流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/28 04:01 UTC 版)
詳細は「:en:Irrotational flow」を参照 渦なし流れにおいては u {\displaystyle \mathbf {u} } の回転 は0であり: ∇ × u = 0 {\displaystyle \nabla \times \mathbf {u} =0} が成り立つ。ここで u {\displaystyle \mathbf {u} } は非回転的ベクトル場(英語版)。 非回転的な単連結空間 における流れは速度ポテンシャル Φ {\displaystyle \Phi } ( u = ∇ Φ {\displaystyle \mathbf {u} =\nabla \Phi } )を用いることにより、ポテンシャル流として表される。渦なしかつ非圧縮性の流れにおいては、速度ポテンシャルのラプラス作用素は0であり: Δ Φ = 0 {\displaystyle \Delta \Phi =0} となる。
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