宋代以降と終焉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 15:42 UTC 版)
北宋以降も制度に変遷はあったものの、官印を支給する制度は変わらず、最後の清の時代まで続いた。 しかし北宋以降、官印は文字の装飾化が進み、だんだん文字を読ませるための印というよりも単に官吏の権威を現す道具となって行く。それを象徴するのが九畳篆の採用である。九畳篆は印篆の画を引き伸ばして幾重にも曲げた装飾書体で、これで印にみっしりと字を刻まれてしまうと、細線が並んでいるようにしか見えなくなるのである。 清代になると九畳篆だけでなく、そのほかの装飾書体や漢字以外の文字・文様も積極的に取り入れられ、もはや印文がごちゃごちゃとして読めないという、印としては形骸化した存在となっていった。 そして宣統3年(1911年)、辛亥革命による中華民国の成立により、王朝国家としての中国は終焉する。ここに官印は制度ごと廃止され、春秋時代以降2500年近くにもわたる長い歴史に終止符を打つことになったのであった。
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