妊娠を伴わない乳汁分泌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 11:17 UTC 版)
妊娠したことのない女性も母乳を分泌することができ、したがって授乳することもできる。これをinduced lactation (誘導された乳汁分泌)と呼ぶ。以前乳汁分泌のみられた女性の場合は relactate (乳汁の再分泌)と呼ぶ。搾乳器でも、実際にしゃぶってもいいのだが、乳首を授乳時と同様に刺激し続けると、母乳の合成が始まり、授乳が可能になる。これが一旦成立してしまえば、必要に応じた量の母乳が出るようになる。通常の出産を経て授乳させている母体となんら変わりはなく、分泌量も通常の母体が母子間でのみ行われる事に比して、この場合はそれを上回る場合もある。乳母はこの方法で授乳をしている。また、養子をもらった母親も、最初のうちは母乳以外の補助が必要になるが、結局このようにして母乳栄養が可能になる。誘導された母乳も妊娠で出る母乳も成分にはほとんどまたは全く差がないと考えられている。稀に男性が乳汁分泌することもある。 疾患としての妊娠を伴わない乳汁分泌には、プロラクチンの分泌過剰によるものがある。乳汁分泌、下垂体性無月経(女性)、インポテンツや女性化乳房(男性)を主な症候とする。下垂体の腫瘍(プロラクチン産生下垂体腺腫、プロラクチノーマ)が最も多い原因である。抗精神病薬による副作用の高プロラクチン血症も知られている。
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