奥の院本尊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:59 UTC 版)
奥の院本尊の秘仏千手観音坐像(重要文化財)は、鎌倉時代の作で一木割矧造、像高63.9センチメートル。正面・右・左の3つの顔をもち、頭上に24の小面を乗せ、計27面をもつ特異な形の像である。本面と左右脇面は額に縦の眼を有する三眼とすること、膝前で組み合わせる宝鉢手は親指と人差し指で輪をつくる、阿弥陀如来と同様の印相とすること、光背に観音の三十三応現身を表すことなど、図像的に特異な点が多い。作風には快慶風が強いが、作者を快慶と同定するには至っていない。 本像は2002年(平成14年)に重要文化財に指定され、翌2003年(平成15年)3月7日から12月7日まで243年ぶりに開帳された。また、2008年(平成20年)8月から11月にかけて奈良国立博物館および名古屋市博物館で開催された特別展「西国三十三所」に出陳された。
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