太陽の自転軸傾斜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 14:00 UTC 版)
「プラネット・ナイン」の記事における「太陽の自転軸傾斜」の解説
太陽の自転軸は惑星の軌道面に対して傾いているが、プラネット・ナインはこの傾斜に関与している可能性がある。太陽系の形成と進化に関するモデルでは、太陽の赤道面と惑星の軌道は同じ平面上になるはずであることを予測する。しかし実際には、太陽の自転軸は巨大惑星の軌道平面に対しておよそ 6° 傾いていることが分かっている。プラネット・ナインは惑星の軌道にトルクを加えることで太陽の自転軸傾斜を生み出し、惑星の軌道面をコマのように短い円弧で歳差させることができる。プラネット・ナインは他の惑星から大きく傾いた軌道を持っていること、また軌道長半径が非常に大きいため他の太陽系の惑星よりも多くの角運動量を持っていることから、この歳差を引き起こす可能性がある。 Elizabeth Bailey、バティギン、ブラウンのグループと、Rodney Gomes、Rogerio Deienno と Alessandro Morbidelli のグループによって同時期に独立して行われた解析モデルとコンピュータシミュレーションを用いた研究、さらに Dong Lai によって後に行われた研究では、太陽の自転軸の傾きとその大きさの両方は、プラネット・ナインによって及ぼされる重力トルクによって説明することが可能であるということが示されている。これらの研究結果はプラネット・ナイン仮説と一致するものであるが、プラネット・ナインの存在を証明するものではない。なぜなら、太陽系での太陽の自転軸と惑星の軌道平面のずれを説明するモデルとしては、原始惑星系円盤と原始星時代の太陽との磁気的相互作用や、太陽への非対称な質量降着、太陽が伴星を失ったことが原因とするもの、他の恒星との遭遇によるものなど、他の可能性も考えられるからである。
※この「太陽の自転軸傾斜」の解説は、「プラネット・ナイン」の解説の一部です。
「太陽の自転軸傾斜」を含む「プラネット・ナイン」の記事については、「プラネット・ナイン」の概要を参照ください。
- 太陽の自転軸傾斜のページへのリンク