太陽での元素合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 14:48 UTC 版)
どうやって太陽があれほどのエネルギーを産生し続けられるのか、人類にとっては長い間謎であった。もしも化石燃料などを燃やしているのであれば、太陽は燃え尽きているはずだったからだ。しかし、20世紀の早期に、熱核融合ならば膨大なエネルギーが産生されることが判り、そしてこれこそが太陽のエネルギー源であり、また太陽が未だ燃え尽きていない理由であることが理解された。ところで、核融合というのは複数の原子核が合体してしまう核反応であり、この反応の結果として合体前の元素とは全く別の元素が生成されることを意味する。現在の太陽の場合、その最たるエネルギー源は、軽水素からヘリウム4への核融合(反応過程では重水素やヘリウム3を生ずるが、最終的にヘリウム4となって反応が終わる核融合)である。ちなみに、水素は最低300万Kの温度で核融合を始める。また、かなりの高圧であることも要求されるため、太陽の表層近くでは核融合を起こせない。この核反応が起こっているのは太陽の中心部である。ともあれ、核融合によって現在の太陽は膨大な熱と光を産み出しているわけだが、同時に、ヘリウムを合成するという、一種の恒星内元素合成が行われていることも意味する。こうして、恒星は元素合成に関与しているということが理解され始めた。
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