天文経度と地理経度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 21:09 UTC 版)
詳細は「経緯度」を参照 経度の決定方法としては、その地点の鉛直線に基づき、天文測量により経度基準点と測定地点の真上の赤経を同時に測定する、または同じ星の南中時刻の差を測定する方法が古くから使われていた。しかし重力は地下構造の影響をわずかに受けるため、鉛直線が正確に地軸へ向かうわけではなく、地軸を基準とした「経度」とは角度にして数秒〜数十秒の差が生じる場合があり、その差は場所によって複雑に異なる。天文測量で求まる経度を天文経度、地軸を基準とした経度を地理経度(または測地学的経度)という。地上測量を含めた複数の手段で求めた経度を測地学的経度と呼ぶ場合もある。 現在はGPSなど全地球的測位が可能になったため、比較的容易に地軸基準の経度を知ることができるが、19世紀~20世紀に構築された測量体系は天文測量と地上測量に基づくものである。明治に策定された日本測地系の経緯度のずれが大きかったのは、日本付近の重力構造の複雑さが大きな要因である。
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