天文台による検定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 01:11 UTC 版)
マリン・クロノメーターの開発が華やかなりし時代には各天文台が頻繁にマリン・クロノメーターの精度コンクールを開催した。賞金と名誉、そして自らの宣伝のために時計師たちはこぞってコンクールに参加した。 時計製造が工業的になされるようになってもこうした精度コンクールは続き、自社製品の優秀性を宣伝する場となった。一方で工業製品としての規格や中立的な基準が求められるようになり、各天文台やスイスの公的機関がそれぞれ基準を作成して製品の精度を検定するという形で時計の精度に「クロノメーター級である」などとの認定を行なうようになった。 時計精度の面でイギリスやフランスに追いつくため、スイスは1790年と1792年にジュネーブ旧天文台でコンクールを開いた。1859年には時計業界の要請によりニューシャテル天文台が設置され、1860年より懐中時計の検定を始めた。この状況を受けて1900年パリで行なわれた測時法国際会議でデテント式脱進機を備えていなくても精度さえ高ければクロノメーターと称することができる旨定められた。 1961年にはニューシャテル天文台に電子式クロノメーターが出品された。
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