大野露井とは? わかりやすく解説

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大野露井

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/17 10:57 UTC 版)

大野 露井
(おおの ろせい)
ペンネーム 大野 露井
誕生 大野 ロベルト
(1983-07-24) 1983年7月24日(42歳)
職業 翻訳家小説家日本文学者
言語 日本語
国籍 日本
教育 博士(学術)
最終学歴 国際基督教大学大学院
活動期間 2016年 - (翻訳家として)
2024年 - (小説家として)
ジャンル 翻訳小説評論
デビュー作 『塔のない街』(2024年)
ウィキポータル 文学
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大野 露井(おおの ろせい、本名:大野 ロベルト〈おおの ろべると〉1983年7月24日[1] - )は、日本の翻訳家小説家法政大学国際文化学部教授[2]。主に筆名で文芸作品の翻訳や創作を、本名で古典を中心とする日本文学の研究を行う。

経歴

東京都出身。父はカタルーニャ出身のスペイン人、母は日本人。母方の祖父は博多、祖母は中国の出身[3]インターナショナル・スクールを卒業後、米国ヴァージニア州ワシントン・アンド・リー大学に進学したが、「文学をやりたい」という理由で中退し、改めて国際基督教大学に入学した[4]

国際基督教大学教養学部卒業、同大学院比較文化研究科、同大学院アーツ・サイエンス研究科修了。博士(学術)日本社会事業大学社会福祉学部助教、同専任講師を経て、2021年より法政大学国際文化学部准教授、2025年より同教授[2]

研究の中心的な関心は紀貫之で、著書に『紀貫之 文学と文化の底流を求めて』がある。翻訳家としては2016年の『リリアン卿 黒弥撒』で、小説家としては2024年の『塔のない街』で商業デビューした。

人物

学部・大学院ではツベタナ・クリステワに師事した[5]。卒業論文のテーマは『枕草子』で、愛読するマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』との比較研究を行った[6][7]

古典文学のみならず近代文学、海外文学にも広く関心を持ち、とくに知られざる作家の作品を翻訳・紹介するその姿勢について、親交のある小説家・川本直は、大野を澁澤龍彦になぞらえて「今澁澤」と呼ぶ[8]

ロンドンで暮らしていたことがあり、小説『塔のない街』にはその経験も活かされている[6]

主な著作

大野露井として

翻訳

小説

共著

評論

  • 「胡乱な教授の優しい授業 『破産』における「告白」と『遺言 a Will』」(『ユリイカ』、青土社、2024年5月号「特集=嶽本野ばら」)
  • 「聞こしめし語らしめしヴァージニア」(『The Requiem Book』、久留一郎デザイン室、2024年10月)

大野ロベルトとして

単著

  • 『紀貫之 文学と文化の底流を求めて』(東京堂出版、2019年7月)

共著

  • 『日記文化から近代日本を問う』(田中祐介編、笠間書院、2017年12月)

編著

  • 『Butoh入門 肉体を翻訳する』(相原朋枝共編、文学通信、2021年12月)

翻訳

  • ノスコ他編『江戸のなかの日本、日本のなかの江戸』(柏書房、2016年12月)
  • ノスコ『徳川日本の個性を考える』(東京堂出版、2018年5月)
  • スティール『明治維新と近代日本の新しい見方』(東京堂出版、2019年6月)

出演

テレビ番組

脚注

  1. ^ 『The Requiem Book』久留一郎デザイン室、2024年、11頁。 
  2. ^ a b 大野 ロベルト”. 法政大学学術研究データベース. 2025年10月13日閲覧。
  3. ^ 大野露井「さまよえる食人者」『僕は美しいひとを食べた』彩流社、2022年、263頁。 
  4. ^ 大野露井「Queerly Native 奇妙にぺらぺら」『吉田健一に就て』国書刊行会、2023年、61-62,74頁。 
  5. ^ 大野ロベルト「あとがき」『紀貫之』東京堂出版、2019年、574頁。 
  6. ^ a b 「週刊文春」編集部 (2024年4月7日). “日本を逃げ出しロンドンへ、週210ポンドの部屋を借りて…実体験もまじえて描く、日本から見た“イギリス的なもの””. 文春オンライン. 2025年10月13日閲覧。
  7. ^ 高遠弘美『楽しみと日々──壺中天書架記』のまわりで|法政大学出版局◉別館”. note(ノート) (2024年10月1日). 2025年10月13日閲覧。
  8. ^ 大野露井『塔のない街』刊行記念 「異端にして正統――大野露井論」(13000字)|Web河出”. Web河出. 2025年10月13日閲覧。
  9. ^ 先人たちの底力知恵泉(ちえいず)「紀貫之“和歌ブーム”を巻き起こせ!」”. NHKアーカイブス. NHK. 2025年10月14日閲覧。

外部リンク




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