多い放射性熱源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 16:50 UTC 版)
「暗い太陽のパラドックス」の記事における「多い放射性熱源」の解説
過去の地球における放射性壊変が起源の地熱では、カリウム40、ウラン235、ウラン238の崩壊による熱の放出量は現在よりもかなり大きかった。さらに、右の図ではウラン238とウラン235の間の同位体比は現在の値と大きく異なることが示されており、過去の値は現在で言う濃縮ウランの比率と本質的に等価である。そのため仮に天然ウランの鉱体が存在した場合、通常の軽水を減速材とした天然原子炉を維持できる可能性がある。従って、暗い太陽のパラドックスを放射性物質の寄与から解決しようとする説は、放射性元素の崩壊熱による効果と、存在した可能性がある天然原子炉での核反応の効果の両方を考慮する必要がある。 放射性熱源で地球を温める主要なメカニズムは直接的な加熱ではなく、初期の地球においても全体の熱量の 0.1% に満たない量である。しかし熱源が存在することで地殻の大きな地温勾配が実現され、これによって多くの脱ガスが発生するため、初期地球の大気への温室効果ガスの濃集も大きくなる。さらに、地殻深部が高温になることによって地殻鉱物による水の吸収が制限され、その結果として初期の地球は海洋からアルベドが高い土地が少しだけ顔を出しているという状態になる。このため地球はより多くの太陽放射を吸収することが出来る。
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