外部二項演算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 02:02 UTC 版)
ベクトル空間におけるベクトルのスカラー倍(英語版)のようなものを二項演算と考える流儀もある。一般に、集合 A, B に対し、B の A への作用、つまり μ : B × A → A ; ( b , a ) ↦ b μ a {\displaystyle \mu \colon B\times A\to A;\ (b,a)\mapsto b\mathop {\,\mu \,} a} の形で与えられる写像 μ を外部二項演算と呼んで二項演算の仲間に入れることがある。このとき、元の意味での二項演算を内部二項演算と呼んで区別する。外部二項演算 μ が与えられたとき、適当な写像 α : B → A A ; b ↦ α b {\displaystyle \alpha \colon B\to A^{A};\ b\mapsto \alpha _{b}} を用いると、B の各元 b において A 上の作用素、つまり α b ( a ) = b μ a {\displaystyle \alpha _{b}(a)=b\mathop {\,\mu \,} a} を満たす A 上の単項演算 α b : A → A ; a ↦ b μ a {\displaystyle \alpha _{b}\colon A\to A;\ a\mapsto b\mathop {\,\mu \,} a} が得られるので、外部二項演算 μ を A 上の単項演算の族 {αb}b∈B と見なすことができる。これは、これらの単項演算が A の内部での演算になっているので、代数系の構造論を考える立場からは自然な見方である。なお一般の場合として、集合 A, B, C に対し 2 変数の写像 f : A × B → C {\displaystyle f\colon A\times B\to C} を形式にこだわらずに二項演算とか積などと呼ぶ場合もある。この立場では例えばベクトルの内積などが二項演算の仲間に含まれる。
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