外観と細胞分裂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/30 05:06 UTC 版)
細菌の形態は、細胞壁によって決まる。L型菌は細胞壁を持たないため、その形態は、由来する細菌とは異なる。典型的なL型菌は、球型か回転楕円体型である。例えば、桿菌である枯草菌に由来するL型菌は、位相差顕微鏡や透過型電子顕微鏡で観察すると丸く見える。 L型菌は、グラム陽性菌からもグラム陰性菌からも生じるが、グラム染色試験では、L型菌は細胞壁を持たないため、常にグラム陰性菌の色を示す。 細胞壁は細胞分裂にとって重要であり、大部分の細菌では、二分裂で分裂する。この過程は通常細胞壁及びFtsZ等の細胞骨格を必要とする。L型菌がこの両方の構造を持たずに成長や分裂を行うのは非常に独特で、初期の生命の細胞分裂の形態を表していると考えられている。この分裂形態は、細胞表面から伸びている細い突起部と関連があるようであり、この突起部は新しい細胞をくびり切る。L型菌では細胞壁がないため、分裂は組織化されず乱雑であり、非常に小さいものから非常に大きいものまで、様々な大きさの細胞が生じる。
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