外界との平衡状態の選び方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 10:49 UTC 版)
「エクセルギー」の記事における「外界との平衡状態の選び方」の解説
エクセルギーを求めるには基準状態となる「外界と平衡する状態」を確定する必要がある。熱力学で平衡という場合、通常、(1)熱的平衡、(2)力学的平衡、(3)化学的平衡の 3 者を満たすことを意味している。しかし、このうち、関与するプロセスによってはいくつかの条件を満たさなくてもよい場合があり、また、実用上考慮しなくてよい場合もある。以下に実用上妥当な外界条件の決め方を例示する。 (A) [熱的平衡] 温度が外界温度に一致する。 復水式蒸気タービン設備や空調機の室外機などのように、系と外界とが伝熱管等を介して間接的に(熱的にのみ)接触する場合、圧力は外界と同じになる必要はなく、また化学的な平衡も必要ない。 (B) [熱的平衡+力学的平衡] 温度および圧力が外界に一致する。内燃機関、ガスタービン、ボイラなどの燃焼排ガスは外気と直接接触混合するので、温度に加えて圧力も外界と一致する必要がある。 (C) [熱的平衡+力学的平衡+化学的平衡] 温度、圧力が外界に一致することに加えて、拡散・反応によって外界を構成する物質と化学的にも平衡する。前記の燃焼排ガスが外界(大気)と平衡するのは、厳密には排ガス成分の拡散や何らかの化学反応を経た後となるが、現実には、拡散過程やこれらの化学反応から有用な仕事を得る手段がないため、化学的平衡を無視しても問題ない。実用上、このタイプの平衡を考えなければならない場合は多くないと思われる。
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