変数同士の陰伏的な関係と微分とは? わかりやすく解説

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変数同士の陰伏的な関係と微分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/19 15:01 UTC 版)

全微分」の記事における「変数同士の陰伏的な関係と微分」の解説

函数 f は二つ変数 x, y の函数とする。通常はこれらは互いに独立であると仮定するところだが、これらが従属関係を持つ状況考えなければならない場面存在する例えば y が x の函数で、f の定義域を R2 内の曲線制限するとすれば、このとき x に関する f の偏微分は、f の変化率正しくあたえるものとならない(x を動かせば y も変化してしまうから)。しかし全微分はそれらの依存関係汲んで捉えることができる。 例えば f(x,y) = xy考える。x に関する f の変化率は普通は x に関する偏微分商、今の場合 ∂f⁄∂x = y得られるが、y が x に依存するならば、x を動かすとき y を固定することができないから、この偏微分商は x の変分対する f の変化率正しく与えない。 今制約条件として直線 y = x 上に話を限れば、f(x,y) = f(x,x) = x2 である。この場合、f の x に関する全微分商は d f d x = 2 x {\displaystyle {\frac {\mathit {df}}{\mathit {dx}}}=2x} である。y に x の式を実際に代入する代わりに、同じ結果連鎖律用いて d f d x = ∂ f ∂ x + ∂ f ∂ y d y d x = y + x ⋅ 1 = x + y {\displaystyle {\frac {\mathit {df}}{\mathit {dx}}}={\frac {\partial f}{\partial x}}+{\frac {\partial f}{\partial y}}{\frac {\mathit {dy}}{\mathit {dx}}}=y+x\cdot 1=x+y} と得ることができる。これが偏微分商と一致しないこと: d f d x = 2 x ≠ ∂ f ∂ x = y = x {\displaystyle {\frac {\mathit {df}}{\mathit {dx}}}=2x\neq {\frac {\partial f}{\partial x}}=y=x} に注意せよ。 陰伏的な従属関係代入実行して解消することはしばし有効なことだが、連鎖律用いる方がより汎用効果的な手法である。時刻 t と時刻 t に依存する n 個の変数 pi函数 M(t, p1, …, pn) を考えるとき、M の全微分d M d t = d d t M ( t , p 1 ( t ) , … , p n ( t ) ) {\displaystyle {{\mathit {dM}} \over {\mathit {dt}}}={\frac {d}{\mathit {dt}}}M(t,p_{1}(t),\ldots ,p_{n}(t))} は、多変函数の微分に関する連鎖律により d M d t = ∂ M ∂ t + ∑ i = 1 n ∂ M ∂ p i d p i d t = ( ∂ ∂ t + ∑ i = 1 n d p i d t ∂ ∂ p i ) M {\displaystyle {{\mathit {dM}} \over {\mathit {dt}}}={\frac {\partial M}{\partial t}}+\sum _{i=1}^{n}{\frac {\partial M}{\partial p_{i}}}{\frac {{\mathit {dp}}_{i}}{\mathit {dt}}}=\left({\frac {\partial }{\partial t}}+\sum _{i=1}^{n}{\frac {{\mathit {dp}}_{i}}{\mathit {dt}}}{\frac {\partial }{\partial p_{i}}}\right)M} と書ける。例えば f(x(t), y(t)) の全微分商は d f d t = ∂ f ∂ x d x d t + ∂ f ∂ y d y d t {\displaystyle {\frac {\mathit {df}}{\mathit {dt}}}={\partial f \over \partial x}{{\mathit {dx}} \over {\mathit {dt}}}+{\partial f \over \partial y}{{\mathit {dy}} \over {\mathit {dt}}}} となる。ここに ∂f⁄∂t の項が現れないのは f が独立変数 t に直接依存していないことによる

※この「変数同士の陰伏的な関係と微分」の解説は、「全微分」の解説の一部です。
「変数同士の陰伏的な関係と微分」を含む「全微分」の記事については、「全微分」の概要を参照ください。

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