境界上の積分計算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 10:04 UTC 版)
先に述べた選点法で積分方程式を代数方程式に置き換える場合、次の境界積分の計算が必要となる。 ∫ Γ u ∗ ( x ; ξ i ) ϕ j ( x ) d Γ x , ∫ Γ q ∗ ( x ; ξ i ) ϕ j ( x ) d Γ x . {\displaystyle \int _{\Gamma }u^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }}_{i})\phi _{j}({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x},\quad \int _{\Gamma }q^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }}_{i})\phi _{j}({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x}.} これらの積分は、被積分関数u* , q* が x = ξi で無限大となる特異性がある。境界要素解析において満足のいく結果を得るためには、この「特異性」を示す関数の積分をいかに精度よく、効率よく処理するかが重要である。この特異積分は、可能ならば解析的に(手計算で)処理し、不可能ならば特異性を除去した上で数値的に処理するか、または剛体移動条件や一定ポテンシャル条件などの物理的に満たさねばならない条件を用いて間接的に計算することになる。 なお、境界積分は、選点が境界上にない場合でもその取り扱いには注意を要する。選点と積分領域との距離が積分領域の代表長さに比べて小さい場合には、被積分関数が積分領域内で大きく変動し、ガウス求積などの数値積分公式を用いて積分計算を実行する場合に積分精度が大幅に低下することがある。境界積分の計算は係数行列の作成において必要となり、その積分誤差が大きくなると近似解の誤差も増大する。改善のためには、積分領域を細分割して積分を計算する方法が最も簡単である。
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