基礎輸液と維持輸液
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 09:00 UTC 版)
維持輸液といわれる3号液は基本的に尿など体が排出するような水分の組成にあわせて作られている。すなわち3号液では以下のような理論に基づき輸液量を計算するというが可能である。 日本人では浅野によるバランスシートが有名である。それによると、体重60kgの日本人の収入は飲料1200ml、食品800ml、代謝水200mlがあり合計2200である。支出は尿1200ml、不感蒸泄900ml、大便100mlで合計2200である。代謝水とはTCAサイクルなどで発生する水であり、不感蒸泄とは肺や皮膚から蒸発する水である。汗は感蒸泄である、呼気中の水蒸気などのことである。 輸液とは基本的に食事ができないときに行う。食事ができないとき代謝水は増えることになるが、簡単のため以下の式をつくる。輸液量+代謝水=尿量+不感蒸泄⇒輸液量=尿量+700ml 基礎輸液というのは予測尿量に700を加えたもの、あるいは予測尿量に不感蒸泄から200引いたものを上乗せしたもの。但し尿量過剰の時はそのまま尿量を用いない。 予測尿量は正常では尿量は大体1000から1500までである。腎不全のときは500くらいでよい。 維持輸液に関しては実際には輸液量は尿量の設定に仕方によって異なるので経験を頼りに頑張るしかない。無難な量はどれくらいか経験で決めていく。
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