地獄の軍団 (アルバム)とは? わかりやすく解説

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地獄の軍団 (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/23 07:44 UTC 版)

『地獄の軍団』
キッススタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ハードロック
レーベル カサブランカ
プロデュース ボブ・エズリン
キッス アルバム 年表
地獄の狂獣 キッス・ライヴ
(1975)
Destroyer
(1976)
地獄のロックファイアー
(1976)
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地獄の軍団』(Destroyer)は、1976年キッスが発表した、4作目のスタジオ・アルバムである。「デトロイト・ロック・シティ」、「狂気の叫び」、「雷神」、「ベス」など、今なお彼等を代表する曲が収録されている。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・アルバム500』に於いて、489位にランクイン[1]

解説

アリス・クーパーなどを手がけたボブ・エズリンをプロデューサーに迎え、スタジオ・アルバムの前作にあたる『地獄への接吻』(1975年)までのシンプルなロックンロールから脱皮したアルバム。エズリンは多重録音によるギター・オーケストレーション、オーケストラや様々なサウンド・エフェクツの導入など様々な戦術を駆使して、それまでのキッスにはなかった音楽性を導入し、本作をドラマティックで重厚なハードロック・アルバムに仕上げた。

体系的な音楽教育を受けたことのないメンバーにとって、エズリンとのレコーディング作業は非常に高度で厳しいものだった。ポール・スタンレーは後に「あのレコーディングはBootcamp(新兵訓練)だった」と述べたが、同時に「あれのおかげで相当に経験を積むことができた」と述懐している[2]ジーン・シモンズも「俺たちにはまさに当時、それが必要だったんだ」と述べた[3]

エース・フレーリーは、エズリンが描いたプランどおりにプレイせず、スタジオ内でしばしば彼と対立した。散々ゴネてふてくされるフレーリーに業を煮やした彼は、アリス・クーパーやルー・リードのアルバムで起用したセッション・ギタリストのディック・ワグナーをスタジオに呼んで、「リードギターを交替させる」とフレーリーを脅してやっと言うことをきかせた。しかし「燃えたぎる血気」のアコースティック・ギターと「スウィート・ペイン」のリード・ギターはワグナーが演奏したものに差替えられた。この結果、本作はメンバー以外のミュージシャンの演奏が収められた初のアルバムとなった。

アメリカで即座に85万枚を売り、プラチナ・ディスクを獲得した。全米アルバム・チャート11位を記録。

収録曲

  1. デトロイト・ロック・シティ - Detroit Rock City [5:17] 作詞/作曲:ポール・スタンレーボブ・エズリン
    この後、長きにわたってコンサートのオープニング・ナンバーとして演奏された代表曲。有名なツイン・リードギターによる中盤のソロ・パートは、メンバーではなくエズリンによるもの。
  2. 暗黒の帝王 - King Of The Night Time World [3:19] 作詞/作曲:ポール・スタンレー、ボブ・エズリン、キム・フォーリー、マーク・アンソニー
  3. 雷神 - God Of Thunder [4:13] 作詞/作曲:ポール・スタンレー
    もともとはスタンレーが自分で歌うために書いた曲だったが、エズリンに「この曲はジーンが歌うべきだ」と言われたためにシモンズが歌うことになった。
  4. 地獄の遺産 - Great Expectations [4:24] 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、ボブ・エズリン
    オーケストラと少年合唱団が起用された。
  5. 燃えたぎる血気 - Flaming Youth [2:59] 作詞/作曲:エース・フレーリー、ポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、ボブ・エズリン
  6. スウィート・ペイン - Sweet Pain [3:20] 作詞/作曲:ジーン・シモンズ
  7. 狂気の叫び - Shout It Out Loud [2:49] 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、ポール・スタンレー、ボブ・エズリン
    Aメロはスタンレー、Bメロはシモンズがヴォーカルをとる、イントロとサビのメロディが有名な曲。
  8. ベス - Beth [2:45] 作詞/作曲:ピーター・クリス、スタン・ペンリッジ、ボブ・エズリン
    ヴォーカルは作者のクリス。最初に書き上げられた時点では“Beck”というタイトルだったが、シモンズが「女の子の名前にすべきだ」と提案したためにこのタイトルとなった。
  9. ドゥ・ユー・ラヴ・ミー - Do You Love Me [4:57] 作詞/作曲:ポール・スタンレー、ボブ・エズリン、キム・フォーリー
    アメリカのバンド、ニルヴァーナがライブで演奏したほか、デフ・レパード加入前のフィル・コリンが在籍したガール英語版がカヴァーした。
  • トラック10にRock And Roll Partyが収録されている。「地獄の遺産」の少年合唱団のコーラスに『地獄の狂獣 キッス・ライヴ』に収録されたスタンレーのステージ進行(MC)を重ねたもの。当初のタイトルは"Rock'n Roll Demon"だった。

脚注

  1. ^ Kiss, 'Destroyer' - 500 Greatest Albums of All Time | Rolling Stone - 2014年8月19日閲覧
  2. ^ Leaf and Sharp, Behind the Mask, p. 252.
  3. ^ Gill, Kiss Album Focus, p. 188.

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