国際関係史研究への貢献
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 17:05 UTC 版)
「ピエール・ルヌーヴァン」の記事における「国際関係史研究への貢献」の解説
この時代にルヌーヴァンは、外交史料だけでは不十分であるということを認め、「外交行為だけでなく、根底にある諸力を追究せねばならない」と述べている。 ルヌーヴァンはその後、国際的な大事件を理解すべく研究を進め、伝統的な外交史とは異なる国際関係史を追求、その体現者となる。アナール学派の影響を受けたルヌーヴァンは事件の分析で「深層諸力(forces profondes)」を重視した。 第二次世界大戦後、フランスの出版社アシェット・コレクシオンはルヌーヴァンに中世以降の国際関係史について著作を求め、2巻本が執筆された。この重要な入門書の中で、外交史の地平は極めて限られたものであり、「深層諸力」の追究が必要であると述べている。ルヌーヴァンは、彼の跡を継ぐことになる弟子デュロゼルと出会い、彼との共著で『国際関係史入門Introduction à l'histoire des relations internationales』といった著作を発表した。本書はルヌーヴァンの著した「深層諸力Les forces profondesとデュロゼルの著した「政治家L’homme d’État」の2部構成である。 ルヌーヴァンは深層で働く複数の力を経済力、地理力、人口力、あるいは国民感情と称する。彼は経済の重要性をマルクス主義から引き離して考える。だが、経済が分裂することがあり得れば、同様に統合することもあり得ると論じている。したがって、様々に異なる形態のナショナリズムが存在するのと同様、第一次大戦勃発を説明する単一の原因は存在しないのである。
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