国家標準器はその国でもっとも小さい不確かさを持つ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:20 UTC 版)
「不確かさ (測定)」の記事における「国家標準器はその国でもっとも小さい不確かさを持つ」の解説
ある国が持つ測定器が、各物理量の国家標準器よりも小さな不確かさを持つことは原理上ありえない。つまり各物理量の国家標準器が最も小さな不確かさの値を持つことになる。国家標準器の測定値の不確かさこそが、計量トレーサビリティ制度での不確かさ計算の出発点になる。どんなに高性能な測定器が新規に開発されても、その新測定器が国家標準器で無ければ、新測定器の測定値の不確かさの値は、必ず国家標準器よりも不確かさの値が大きくなる。このように不確かさの値は計量行政に依存している。このため、トレーサビリティ制度の運用に不合理が起きないように、国家標準器には各国の測定技術の最高性能が求められる。 このように測定値の不確かさは、関連する制度として計量トレーサビリティ制度などの計量行政や、国家標準器の維持管理を伴っており、相互に意味付けをしている。 国家標準器の測定値の不確かさの値は、国ごとで異なるのが一般である。たとえば、ある物理量の国家標準器の測定値の不確かさが、日本とアメリカとフランスとドイツとで、異なっている場合もありうる。もし、このように国ごとで国家標準器の不確かさの大きさが異なっていても、それは各国の国家標準器の性能の優劣を意味しない。ある国の国家標準器の不確かさの値が他国よりも小さいからと言って(たとえばアメリカの国家標準器が日本よりも不確かさが小さかったとしよう)、決してその国の国家標準器の性能が他国よりも高いことにはならない(例の場合では、仮にアメリカの標準器の不確かさが日本よりも小さくても、国家標準器の性能の優劣とは無関係である)。
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